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ドードーを知っていますか
ピーター・メイル
ポール・ライス
絵:ショーン・ライス
訳:斉藤健一




原題
「As Dead AS A Dodo」1995年 ベネッセ

初版は子ども向け絵本として1982年に発行されたらしいのですが、氾濫する絵本の出版ラッシュにまぎれてとっくに絶版になってしまいました。なのに十数年の時を経てどうして突然また新装版として日の目を見ることができたのか?
著者にピーター・メイルの名があるからですね〜。
ピーター・メイルって名前、覚えている方がどのくらいおられるかは期待できないけど、ベストセラー「南プロヴァンスの12ヶ月」の原作者といえば「おおっ」てなもんでしょう?
南プロヴァンスブームはともかく、メイルが突然有名になってくれたおかげで、過去に書かれたこんな絵本まで復刻されて、ありがたいやら出版業界の「ブームのうちに何でもかんでも売ってしまえ根性」がコワイやら・・ま、いいんですけどね。

この本は、ドードーをはじめ、ブローボックやフクロオオカミなど絶滅してしまった14の動物のことを紹介した絵本です。

簡潔な文章で、かれら絶滅動物たちがどのような姿で生きて暮らしていたか、そしてどのように数を減らし、いつ最後の一頭又は一羽が命を落としたかが綴られ、子ども向けとはいえかなり辛い気持ちになりながら読みました。

小さな、うすべったい本なのですが、まうご犬はこの本だけはいつもすぐに手の届く所に置いています。
なんたって、絵がスゴイのです。何度見ても感激します。
パステルと色鉛筆を使った、カラフルでユーモラスで、とても繊細で細部まで描き込まれたショーンの絵が本当にすばらしいのです、犬好みなのよ、犬だってこんな絵描いてみたいのよ!でも描けないのよ〜!(自爆)

ショーンは1950年ジャマイカ生まれで、絵は独学で学んだのだそうです。 この本をメイルと共著した夫のポールとはもう離婚したらしいけど、絵を描くことは続けているんだろか?きっとこれだけ楽しい絵を描ける人なんだから描くのをやめるってことはないと思いたいんだけど・・。
こういう絵本って流行や世相の移り変わりなんかであっという間に絶版になったりします。本屋さんに大量の新しい絵本が毎月毎週がんがん出てくるのを見てると、そのウラで同量のすばらしい絵本が駄本にまぎれてがんがん消えていってるのだなあーと辛い。ライス夫妻として他にも2冊の絵本が出版されたらしいけど、今となっては古本屋で探すのもむつかしいです。
絶滅動物も悲しいけど、絶滅絵本も悲しいよ。

どうかショーンの絵にまたいつかどこかで
会うことができますように・・
 


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