負け犬の独り言〜8月〜

日記は苦手なんでございますが、
ちょっと思いついたことなど気の向いた時に
テキトーに書き散らしてみたりしますわ〜


 2006/8/31

日付はうそ。書いてるのは9月に入ってからです。
8月は忙しすぎて暑すぎて何が何だか無茶苦茶なうちに終了してしまってました。

暑かったね。ホントにもう干上がりそうな暑さでしたよ。
陽射しの強さに負けて昼間は出歩けず、夕方からよろよろ這い出す生活。夏だね。
かもしかたちはどうだったんだろう、辛かったかな。まうごは辛いよなあ。ああ。

町内の、地蔵盆という子供のためのお祭りの実行委員として
走り回っていたのですけどね。
地蔵盆、もちろんメインはお地蔵さん。
でもウチの町内にはお地蔵さんはいらっしゃらない。
で、壬生寺から「レンタルお地蔵さん」を借りてくるのよ。

今回まうご犬、お地蔵さんを借りて来るという大役を
いただきまして、…行ってまいりました。
行って驚いた。「お地蔵さんの山」があるのよ。
その中から可愛らしいお地蔵さん、というか、
「目が合った」お地蔵さんを選ぶわけですね。
↑どうですか?なかなか端正なお顔のお地蔵さんでしょう。
しかし。これが重いっ。
「山」から車まで100mばかり抱きかかえてお運びしたのですが…落とすかと思ったよ。
さすが石。30kg以上あるだろ、いやもっとかな。お地蔵さん侮れません。



-----ココからはまうご犬の与太独り言、お暇なときに読んでね。

古典外国文学の新訳がいろいろ出てきてますね。
古典じゃないけどカポーティとかガルシア=マルケスとかもね。
「白鯨」は千石英世さんの新訳が講談社文芸文庫から出てるのがずっと気になっていて、
今日こそ買おうーと思って本屋に行って……手が止まる。
文庫本なのに一冊1995円。しかも「白鯨」は上下巻二冊だから3990円。うほおー。
講談社文芸文庫は古典の復刻版の宝庫で、欲しい本がいっぱいあるんだけどね。
他で入手できないし、古書だともっと高いってのは承知なんですが、…高いよ。
「白鯨」は岩波の阿部知二訳を持ってるし、でも千石訳も読みたいしっていう理由だけでの
4千円を払う払わないは悩みますわ。でもいつか、そのうち。

しかし古書の価格ちうのもすごいね。
ナボコフの「ヨーロッパ文学講義」が18000円って。耳からアワ吹きそうでしたよ。
この本、犬にとっては小説を読むうえのバイブルのような本で、コレに出会わなかったら
犬は一生「小説を読む」ことを楽しめなかったことでしょう。てなくらいすごい本です。
(実は犬は本を読むのは好きだけど小説はどうしようもなく苦手だったのよ。)
外国文学の古典の名作が何で名作と言われるのか、完璧に納得できる講義です。
どう見ても退屈そうなディケンズの長編を楽しみながらスラスラ読めるようになります。
絶版で希少だから値が上がるのは仕方ないのでしょうが、こんな値段で誰が買うの。
若い人や学生にこそ読んでもらいたい本なのにね。って、学校とかで推奨しないのかねー。
できるだけ低価格で復刊して欲しいですね。

っと、ナボコフといえば。ドストエフスキー大嫌いで有名なのですが。
「200X年文学の旅」という本の中で沼野充義さんが紹介されているヴラジーミル・ソローキンの
戯曲「ドストエフスキー・トリップ」の内容に爆笑しましたよ、タイムリーだな。
「トリップ」とは幻覚体験のトリップのこと。
舞台の男女7人はトリップしようと麻薬のバイニンから特殊な錠剤を買うのですけどね。
この錠剤、過去の有名文学者のエッセンスで作られてて、服用するとその作家の世界に没入するという幻覚を体験できるらしいのです。
例えば、ジュネにセリーヌ、カフカにジョイス、フォークナーやヘミングウェイやベケットとか。
で、ちゃんとそれぞれ等級があって、ゴーリキーなんかは「安物のクソ」扱い。うわ。
ナボコフは超高価で「ロブ=グリエ4服分、ナタリー・サロート18服分」だってよ!
で、劇の男女7人は集団でトリップすべく今回「ドストエフスキー錠」を試すのです。
そしてドストエフスキーの数ある作品の中でも究極にドストエフスキー臭い「白痴」の世界にGO!
異様な誇大妄想と連続ハイテンションのドストエフスキー渦のまっただ中に放り込まれた7人は、
最終的に「馬鹿げた姿勢で」凍りついたまま動けなくなってしまいます。
(…ああー、わかるよ、わかる…)
ここにその錠剤を売りつけたバイニンと、錠剤を作った化学者が登場してのオチ。
以下沼野さんの訳で。
化学者「いまやはっきり立証されましたね、ドストエフスキーは生のままで服用すると致死的な作用があるってことが」
バイニン「で、どうしたらいいんだね?」
化学者「割って飲まなきゃ」
バイニン「何で?」
化学者「(考え込む)そうねえ…… スティーヴン・キングで割ってみたらどうかな。それでどうなるか見てみよう」

……久しぶりに鼻水吹き出すほど笑わせていただきました…。
この戯曲は何度も再演されてるそうですよ。あぁ。ロシア人て素晴らしい!
世界一「文学に向いてる人種」はロシア人だと思うよ。日常に文学がなじんでる感じなんだなあ。
ロシアの最近の小説とか、もっと翻訳が出版されるといいのに。ホント読みたいよ。
日本人は?いまいち文学には向いてないような気がするな、性向的に。
まあいいか。日本には世界に誇れる素晴らしい漫画文化があるからね。ひゃっほう。

◆2006年8月の まうご犬のいろいろ (ヴァンプ将軍にメロメロですよ〜)
--- 本 ---
「ホームワーク」ロイド・カーン
「XTC:ソング・ストーリーズ」XTC+ネヴィル・ファーマー
「土間の四十八滝」町田 康

--- まんが ---
「魔人探偵脳噛ネウロ(7)」松井優征
「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所(7)」西 義之
「天体戦士サンレッド (3)」くぼた まこと
「願い叶えたまえ(3)」西田 東
「夏目友人帳(2)」緑川 ゆき
「さらい屋五葉 (1)」オノ ナツメ
「とりぱん(1)」 とりの なん子
「夢を見るヒマもない」山田 ユギ
「封神演義(完全版)」藤崎 竜

--- 雑誌 ---
「STUDIO VOICE VOL.369」

--- よく聴いてるCD ---
「Apple Venus Vol.1」XTC


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