シロカモシカ
別名シロイワヤギ。夏でも真っ白

シロカモシカ
Rocky Mountain Goat (英)
Schneeziege(独)

《学名》
Oreamnos americanus
Oreamnos=「我らの山の妖精」
americanus=「アメリカの」

《亜種と分布》
アラスカ南東部からモンタナ・アイダホ両州にかけての北アメリカ北西部の山地に生息する。
亜種はない。
かつては、
カスケードシロイワヤギ
(americanus)
アラスカシロイワヤギ (kennedyi)
コロンビアシロイワヤギ
(columbiae)
モンタナシロイワヤギ
(missoulae)の4亜種に分類されたが最近では否定されている。

《食性》
季節によって食性に差がある。夏はイネ科の草本類、秋は広い葉の草本類、冬は針葉樹の葉が基本的な食料。また、鉱物塩を食べる。

《体格》
真っ白で美しい長い毛並みが特徴。
おとなで頭胴長130〜160cm、こどもは約40cm。背までの高さはおとなで約100cm、こどもで約35cm。おとなの体重は約120kg、こどもは約3〜4kg。


《シロカモシカの生活》
シロカモシカは通常森林限界線よりも上の標高2500mまでの険しい山の岩肌の斜面で生活しています。冬には山を少し下り、積雪が多い時は海岸地域までも下りてきます。
普通メスとそのこどもが10頭以下の小さな群れになって生活し、おとなのオスは単独もしくは独身者のみの群れになり、なわばりを持って生活しています。オスは交尾期の秋になるとなわばりの中のメスたちの群れに合流します。メスの独占をめぐって、オス同士はぐるぐる回りながら前脚で蹴る動作をしたり、角で戦います。
オスはメスよりも体格は大きく、角もメスより長くて大きいです。
角を立ち木の幹にこすりつけた跡に、後角腺や蹄腺から分泌する臭いのある分泌液をつけてなわばりを主張します(マーキング)。
場所を決めず散糞をします。
朝と夕方に活発ですが、暑い昼時は日陰で休息しています。
険しい岩壁も器用に上り下りします。
時折、塩分とミネラルを含む谷間の岩場に移動してきて、その岩塩をなめています。
砂浴びが大好きで、前脚で器用に砂をかいて砂を浴びます。そのせいで下半身のせっかくの白い毛並みが砂泥まみれで汚くなってしまいますが、寄生虫の予防などの意味もあるので健康上しかたありません。
秋(9〜11月)に交尾をして、翌年の春(4〜6月)に通常1頭または双子のこどもを出産します。生まれたばかりのこどもでも、数時間もすれば山を歩き回ることができますが、岩壁の険しさに足を滑らせて落ちて死んでしまうこどももいます。また、イヌワシがこどもを捕まえようと狙っています。他に外敵はオオカミ、コヨーテ、ピューマ、アメリカクズリ、熊など、多くいますが、熊と角で戦う勇敢なものもいるようです。実際グリズリーをその鋭い角で刺し殺したという例があります。

日本では、三重県の日本カモシカセンターの他に、大森山動物園横浜市立金沢動物園で飼育され、公開されています。


←シロカモシカの双子の赤ちゃん。
 山の妖精といわれるのも納得の愛らしさ!
(日本カモシカセンターの絵はがきより)  







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