シーロー
別名タテガミカモシカ、白くて長いタテガミが目印。

シーロー
Serow (英)
Serau (独)

《学名》
Capricornis sumatraensis
Capricornis=「ヤギの角をした」
sumatraensis=「スマトラ産の」

《分布》
カシミール及びインド北部から東に中国中央部から南東部まで、そこから南に向かってミャンマー、タイ、インドシナ、マレーシアまで。そしてスマトラ島。

《亜種と分布》
標高2000〜3000mまでの山の斜面の密林や峡谷に棲む。ゴーラルと生息地域が一部重なるが一般的にゴーラルよりも低い地帯に生息する。広範囲に生息するため亜種が多い。
Capricornis sumatraensis humei
=カシミールシーロー
=カシミール地方
Capricornis sumatraensis rodoni
=チャンバシーロー
=インド北西部
Capricornis sumatraensis thar
=ネパールシーロー
=ネパール
Capricornis sumatraensis jamrachi
=ダージリンシーロー
=ベンガル地方北部
Capricornis sumatraensis
montinus

=???
=雲南省西部
Capricornis sumatraensis milneedwardsi
=スーチョワンシーロー
=ミャンマー、
 雲南省、四川省、甘粛省南部
Capricornis sumatraensis argyrochaetes
=シロカミシーロー
(別属・別種説もあり)
=中国南西部
Capricornis sumatraensis maritimus
=インドシナシーロー?
=ベトナム、ラオス
Capricornis sumatraensis rubidus
=アラカンシーロー
=ミャンマー南部
Capricornis sumatraensis annectens
=???
=タイ
Capricornis sumatraensis swettenhami
=マレーシーロー
=マレーシア
Capricornis sumatraensis sumatransis
=スマトラシーロー
=スマトラ島

《食性》
イネ科の草本類と木の葉。柔らかい枝。

《体格》
耳が大きく、全体に黒い毛色のなか白いタテガミが目立つ。
角も20cm以上になる。
おとなで頭胴長140〜150cm、こどもは60〜70cm。背までの高さはおとなで約90cm、こどもで約40cm。
おとなの体重は約80〜140kg、こどもは約4kg。オスもメスも体格はほとんど変わらない。

《シーローの生活》
シーローは、ふつう群れをなさず人目につかないところで単独で生活しています。好みの草のある場所では、時折4〜5頭の小さなグループを見かけることもあるそうです。
オスもメスも角があります。
角を立ち木の幹にこすりつけた跡に、眼下腺や蹄腺から分泌する臭いのある分泌液をつけてなわばりを主張します(マーキング)。分泌液はすっぱい臭いがします。
岩の間や、張り出した岩の下などを好んで休憩したり、風雨をしのいだりしています。危険を察知したときも岩場に逃げ込みます。急な岩場でも平地を歩くのと同じくすばやく行動できます。1回の跳躍で3〜4mの絶壁を登ることもできるほどの脚力の持ち主らしいです。しかし、日本カモシカセンターで飼育されていたシーローは、動きはゆっくりのんびりしていて、あまり走り回ることはなかったそうです。
早朝と夕方の2回食事行動をします。そのときは開けた地形の場所にも出てきます。
決まった場所(1〜3カ所)にため糞をします。
北方の地域のシーローは秋(10〜11月)に交尾をして、7ヶ月の妊娠期間を経て翌年の春(5〜6月)に通常1頭のこどもを出産します。南方の地域のシーローは、発情期も出産期もはっきりとは決まっていないのですが、通常1頭のこどもを出産します。
ニホンカモシカよりひとまわり大きく、耳が大きくてタテガミがあることから、ロバのようだとかウマのようだとか言われるそうです。
危険がせまると急に鋭い鼻息を発して、すぐに崖上などに素早く逃げるという用心深いシーローですが、長いあいだ人間の狩猟の対象になってきた動物なので、広大な地域に分布しながらも、あちこちで絶滅したり数が減少したりしています。



(日本カモシカセンター「かもしかずかん」より)



↑シーローのこども。耳が大きい!
(日本カモシカセンター「かもしかずかん」より)


日本では、三重県の日本カモシカセンターで飼育されていましたが残念ながら死んでしまいました。






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