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かもしかマークのかもしか本 |
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このかもしかマーク、見覚えあります? |
このマークは、以前「かもしか小ネタ2002年総集編」の中で紹介させていただいた
「無明舎出版」さんのマークです。こんな立派なニホンカモシカを会社のシンボルに
使っておられるだけあって、ニホンカモシカに関する書籍も出版されています。 |
←こちらは2005年6月に出版されたばかりの
「カモシカの民俗誌」(鳥海隼夫・著)です。
民俗誌というタイトルどおり、ニホンカモシカという動物を人間はどう見てどう名付けたか(地方によってさまざまな名で呼ばれています)、人間はどうやってカモシカ猟をしたか、カモシカの毛や肉やツノをどう利用したか、等々、人とカモシカの間にある深く長い歴史について取材・記録された本です。かねてよりまうご犬が知りたい、調べたいと思っていたことがいろいろ書かれていて、何よりこの著者さんがまうご犬なんかよりもずっとずっと年季の入った「かもしかファン」なのが伝わってきて嬉しくなります。
貴重な写真も満載です。特別天然記念物として保護されるだけのカモシカではなく、人間の役にたつ動物としてのカモシカの一面を知ることもカモシカを本当に理解する上で必要なことだと思います。かつてカモシカを狩っていた人たちのほとんどが高齢となられた今、彼らが亡くなられていく前に「カモシカ対人間」の真の意味での関係(保護し保護される関係でなく)を語った記録ができるだけ多く残されますように。そのことをこの本を読んであらためて強く感じたのでした。 |
こちらは1998年に出版された
「ニホンカモシカ ミミの一生」→
(平田貞雄・著)です。
著者は弘前大学で動物生態学を教えておられたのですが、1978年から6年間にわたって親からはぐれて保護されたメスの仔カモシカを自宅及び弘前大学構内で飼育されました。当時はニホンカモシカを人間が飼育するというのは大変難しいとされ、「カモシカ=難獣」とまで言われていたそうですが、著者は深い愛情と科学的好奇心をもってミミと名付けたこのカモシカの成長を見守り続けます。人の手で育てられたカモシカはとてもよく人になつき人を信頼する動物であることがわかります。そして無表情ながらも著者に対してちゃんと自分の「こころ・気持ち」を示すことができる動物であることも観察されています。エサである植物の好みを調べたり、採食する葉の位置(高さ)に好みがあるのかどうか等、興味深い実験も行われています。
殆どの漢字にフリガナが付けられ、とても平易な文章で書かれていますので、小学校高学年くらいのお子さんでもじゅうぶん理解できる内容です。写真も豊富ですし、ニホンカモシカという動物の生態を知る良い入門書になると思います。 |
←こちらは1998年に出版された
「朝日連峰・鳥獣戯談」(西澤信雄・著)
です。著者の西澤さんは山形県の朝日連峰の麓で「朝日鉱泉ナチュラリストの家」という宿を経営されている方です。この本ではカモシカに限らずクマやタヌキやヤマネ等々山に生息する動物たちに関わる様々なエピソードをまとめられています。
長い間生態観察をしていたカモシカの「マサト」が老衰で死んでしまったあと、剥製にして小学校で保存することになったのですが、禁猟になって久しいカモシカの剥製は誰も作ったことがない…、さてどうしよう?顛末が可笑しいやら哀しいやらの「マサトの剥製」と、「カモシカの交尾」の2編がカモシカ絡みです。山の動物の自然な生態と、人間の生活との関わりをバランス良く描写されています。長く山に暮らしておられるからこその視点と考察がとても面白く勉強になります。
以上、3点の「無明舎出版」さんのニホンカモシカにまつわる本を紹介させていただきました。
カモシカって、興味をもって知れば知るほど素敵に思えてくる動物ですよ。
まうご犬もいろいろなカモシカ本を読んで、カモシカをよく知って理解して、そしてカモシカをもっともっと好きになっていきたいと思っています。
世の中の多くの人にもそう思ってもらえたら最高なんだけどなあ。 |
◆余談なのですが、ポプラ社の児童書「地球ふしぎはっけんシリーズ」の中に
「ヤギの見る色 どんな色?ー実験240日の記録ー」(岸上祐子・著)という本があります。
カモシカについての本ではないのですが、
ヤギの目はカモシカの目に非常に近い。
そのヤギの目が「色を見分けることができるかどうか」を科学的に実験して調べる過程を児童向けにわかりやすく書かれた本です。調べたい事柄に対してどのような道具をつかってどのように実験すれば得たいデータを収集できるのか、そしてそのデータをどう読み解いて結論を導き出すのか、そういった実験・考察の過程も面白いのですけどね。
さて、ヤギは色を見分けられるのか?そしてカモシカは色を見分けられるのか?
ネタバレになって申し訳ないのですが、 「ヤギは少なくとも赤・青・緑・黄の色を見分けることができる」のですよ!
ってことは、カモシカも…??
いや、カモシカで実験されたデータはありませんからまうご犬の勝手な推測に過ぎませんが、
かなりの確率でカモシカも色を見分けることが出来るんじゃないかと思うのです。
しかしまあ、それならそれで今度から動物園に行く時は服装の色も考えなくちゃなあ、
きゃー、平八くんの好みの色はなんだろう〜?ムサシくんは〜?
…程度の活用しか思いつかないのですけどね。<アホか。 |