世界のかもしかNEWS
2001年11月9日

 ◆ チャッピー、安らかに・・

 三重県菰野町御在所岳山上の日本カモシカセンターの、ジャコウウシのチャッピーおばあさんが、11月4日、23歳5ヶ月と約10日でその命を終えました。
 1978年4月23日に生まれたチャッピーは、10月23日に23歳と5ヶ月を全うしたその日に倒れて起き上がれなくなってしまったのです。以来、一日でも長く生きて欲しいとの願いをこめて飼育スタッフの方々は懸命な看病をされていました。倒れてもなお、ジャコウウシとしての誇りは失わず、飲み薬を飲ませようとしても口元まで近寄らせてくれない状態だったとか。人間でいえば120歳をこえる高齢。9月に長寿の世界記録を更新し、みんなでお祝いをしたときにはまだまだ元気そうだったのですが、生きているものはやはりいつかその時を迎えます。それはわかっていても、一分でも一秒でも長く生きて欲しい・・まわりのみんながそう願い、そしてチャッピーも最期のさいごまでがんばりぬきました。生きるということの力強さをさいごまで見せてくれたそうです。

 チャッピーが亡くなった日は嵐だったそうです。
保健所の検査のあと、解剖されました。150kgの巨体、検査だけでも大変だったそうですが、チャッピーには寄生虫や病原菌もなく、骨も丈夫で、骨粗しょう症も見られず、これで本当に120歳かとみんなして大変驚かれたそうです。今後は剥製となり、またカモシカセンターに帰ってきてくれる予定です。

 もう会えない、そこに居たのにもう居ない。生きているものみなすべて「死ぬ」ということは、わかりきっているはずのことですが、悲しくてたまりません。
「お疲れさま、本当に今までよく頑張ってくれた」と、チャッピーを応援していた皆がその最期に声をかけたそうです。スタッフの方々の悲しみと喪失感は計り知れないものでしょう、でも、「私達の心の中には永遠に生き続けてくれます。本当にお疲れ様でした。」と、おっしゃっていました。

 チャッピーさん、お疲れさまでした。元気だったころ、柵に向かって突進してきたあの姿や、暑い日に扇風機の風に目を細めてあたっていた姿、岩山のようなうたた寝の姿、けっして忘れないよ。
どうぞ、安らかに眠ってくださいね


日本カモシカセンターの飼育スタッフYj様 情報提供ありがとうございました


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