ミントンの ばかっ

 
 


 
 英国のミントン社のティーポットであります。日本でも百貨店などには、必ず置いてあるといっていい、かなり有名な陶器メーカーですね。
 1793年に英国中部のストークオントレントにトーマス・ミントンによって設立された窯で、ビクトリア女王から「世界で最も美しいボーンチャイナ」と呼ばれ、1856年にはビクトリア女王から王室御用達を賜ったそうな。
 写真のティーポットの柄は1948年に発表された「ハドンホール」という柄で、このシリーズは世界のベストセラーとして、現在も「テーブルウェアの貴婦人」としての名声高いものであります。

 安物の食器にあふれる、まうご犬宅の食器棚にあってひときわ異彩を放つこの高級?ポット。それはそれは大事に丁寧に扱われておりました。
散々気をつかって洗い、収納時には常に注ぎ口にカバーを付け(写真のように)、他の雑多な食器群とは接することなく特別取り出し易い場所に定位置を授けられていました。

・・・文体が過去形ですな。

 先日フリマに、このポットと同じ「ハドンホール」柄のティーコージー(ポット保温カバー)を友人が出品していたのに気付かず、よその人に買われていくのを見て「しまった!」と残念に思い、後でそのフリマに参加した友人たちが犬宅にやって来たとき、「うちにはコレがあったのに、アレ買えばよかったなあー」と食器棚からポットを取り出し、何気なく左手で注ぎ口部分に軽く触れた、
その瞬間!

なんで〜っっ!?
 
 わけがわかりませんっ!どこぞにぶつけた記憶も、何かを当てた覚えもありませんっ!食器棚の定位置周辺にはかなりゆとりの空間をもたせてあり、他の食器の出し入れは影響しませんっ!

・・・それなのに、それなのに、この惨状は一体・・?

 まうご犬の相方、くまのくまやすを呼び出し部屋の隅に追いつめて自白を強要するも、くまは泣きださんばかりに無実を訴えるばかり。
まぁ、くまが犬の留守中コレで紅茶を楽しむ、ってのはまず考えられないし。そういえば、少し前に震度3程度の地震があったけれど、でも食器たちが動くような大きな揺れではなかったし・・。

 では、これはいったいどうゆうことなのかっ?
謎であります。夜中に妖精たちがやってきて悪さをしていったとしか説明できない不可解な事件であります。

 理由がわかったところで、この割れっぷりではどうにもならない。修理することも考えてみたけれど、目立つ場所だし割れ口も形が悪い。
・・あきらめはついているのですが、ちょっとこの際だから日頃思っていたミントンの悪口を言わせてもらおうっと。
 ポットと同じ「ハドンホール」のティーカップ(3客だけしか持ってないけど)を使うたび思うのだが、他社のカップに比較して茶渋が付きすぎる。釉が甘い感じ。陶土がスカスカした感じで持ちごたえが半端な感じだし、覚えがない程度の衝撃で割れるようじゃ、焼きも甘いよね。何より地色の「白」の色がスッキリしない。値段の割に安物っぽく感じてしまう。
・・ふんっ、何が王室御用達さっ、未練はないさっ。
 
* 蛇 足 *
 惨状発覚の瞬間、友人たちが立ち会ってくれていたのがせめてもの救いでした。独りであの瞬間をむかえていたら、犬の心は奈落の底まで落ち込んで這い上がってこれなかったに違いありません。
みんな、いろいろ慰めの言葉をありがとう! 特に
「コレ、着脱式 だったのね!」
と、フォローしてくれたYちゃんさん!
・・いや、もう、ホントに、何て言うか・・アリガトねっ!!
 
 

* 追 記 *

2004年5/28に、香港在住(当時)のTomoquitaさんから
衝撃のメールをいただきましたのです!!

『実は私も同じ経験をし、頭が???でいっぱいになっているところです。
うちの場合は、まったく触れる事無く割れたのです。
5月15日、1回目。
食器棚の中で「パキン」と何かが割れる音に気付き、調べたところ、
ミントンの楕円の皿が割れていました。
でもあまりにキレイに割れているので、いつか修理しようとそのまま食器棚の
同じ位置に置いておきました。
そして先日5月26日、夜中12時に友達と電話中にまた「パキン」。
まさか・・・と思い、その皿を見ると、もう一箇所割れていました。
夫が出張中で独りの真夜中です(震)。』
『1回目は「気付かないほどのヒビが入っていたのかも」と
納得の出来ない 納得?をし、何度もその割れた状態を観察したので、
もう一箇所ヒビが入っていたとは考えられません。
しかもここ2年は触れたことも無く、食器棚に置きっぱなしだったのです。

私は今、香港在住なので、日本の友達に洋食器屋さんでこんな事がありえるのか
聞いてきて!と頼んでいます。
もちろん今度日本へ帰った時には、ミントンへ殴りこみです。
香港は年中湿気も十分あり、イロイロ考えても不思議で仕方ありません。
一体どういうことなのでしょうかね・・・。』
なんたること〜!
あのミントンで同じ経験をされた方がいらっしゃるとは!
『二回にわたっての不可解な割れ方。
これはもう「夜中に妖精たちがやって来て…」説では説明できませんね。
(いや、最初から説明になってないか。わはは)
私の件との共通点を冷静に考えてみますと、
・長い間、食器棚に入れっぱなしで触ることもなかった。
・事前には、まったくヒビ割れの兆候は見うけられなかった。

私のミントン事件は2001年の10月、Tomoquitaさんは5月ですよね。
しいて言えば、「季節の変わり目に事は起きた」
これもひとつの共通の条件かもしれません。
ううーーん。どれもこれも割れの理由にはならんことばかりです。
こんな条件で陶器が割れるのなら、今頃ウチの食器棚は残骸置き場と
化しているはずです。

この「ミントンのばか」ページをネット上に公開したのは2001年の暮れ
なんですが、その後今までこのミントンの割れ問題についてご意見を
いただいたりすることはまったくありませんでした。
ですからあれはホントにウチだけで起こった不思議な現象だったのか…と
悶々としながらもココロの片隅に押しやっていたところなのでした。
あれから2年半…、実は昨年我が家は引っ越しまして、その際例のポットは
「えいやー」っと捨ててしまったのです。
ああ、こんなことなら、保管しておけばよかった…。』

…という返信をさせていただきましたのですが、な、なんとっ。
その後もまた不可解なミントン事件がっ。
2004年10/7に、またまたTomoquitaさんから
追加情報メールをいただきましたのです!!
『今日、湿度も低かったので食器棚を開け放しておこうと
(ここでは食器棚の中にもカビが生えるんです)
久し振りにミントン棚をのぞいたら・・・
「割れてる!」

また見事にパカっと割れているのに、不思議なことに合わせてみると、
微妙に合わないのです。
(こっちを合わせれば、あっちに隙間が開くという感じ、欠片は無し)
夫が「乾燥じゃないか」と言うので、まぁ今の季節ならいいかと、
水のコップをミントン棚の隅に設置しました。
来月、本帰国が決まりましたので、全部ミントンのお店に行って
暴れて来ようと思います。』
なんたることなんたること!またもや割れましたかっ!
『この割れ方は間違いなく今まで割れたものと同じ割れ方…。
時は、確かに温度差の大きい季節の分かれ目…。
私のミントンのポットも10月に割れたのですよねーー。
なにより、「割れ口が合わない」というのは、明らかに陶器本体が
収縮しているという証拠ですよね。湿度差か温度差か…?』
しかし……
『このミントン達は、乾燥カラカラのメキシコにも住んでいたんです。
寒暖差や湿度の高低は、もう何回となく経験している叩き上げ?なんです。』
…うあああ、なんですって〜?!
ナゾは深まるばかりです。ワケわかりませんっ。

しかしこれは明らかに製造責任問題であると思われます。
販売店に殴り込みして当然の状況です。
だって、こんな唐突な割れ方して、万が一怪我でもしたら大変なことに
なりますよ。傷害事故が起きてからでは遅いっ。
ああ、ミントン、ホントにダメダメだったのですねえ。
私も「???」なんて思ってないで、お店に直接文句言ってやればヨカッタな。
いや、世の中には同じ破損事故に遭いながら私と同じように「???」で
済ませている人々も多いのではないかしら…。
それにしてもTomoquitaさんの被害は甚大ですねー。
せっかくハドンホールシリーズで揃えたものが次々と…。
とても他人事とは思えず胸が痛みます…。

ページのタイトルを「ミントンのばか」としたとき、
ミントンを本気で罵る覚悟で、結構勇気をふりしぼったものでした。
ひょっとしたらミントン社の人の目に触れて「ばかとは何事ぞ」と
文句を言われるのでは?いや、それこそ私の思うツボ、その時は全力で
戦うぞ〜!と、拳を握りしめていたものです。
(ま、この目論見はまったくのカラブリみたいでして。とほほ。)
でも。こんな事件が実際に起こっていたのだということを黙っておくのは
あまりにもくやしいっ

これからも周囲のミントン持ちの人々に注意をうながし、
謎の解明につながる情報を集めていきたいと思います。