EMRoS + かぶと
例によって写真満載激重ですみません
ちょっと力はいりすぎちゃった…


   


本当の、まったく真正なる、がらくた、です。
なにせギネスブックにも載ったくらいだもんね、超弩級のがらくただよね。
その名をご存じの方は多いとは思いますが、実際に手許にお持ちの方はどのくらいいるのかしらん…、あまりお見かけしないのでこの場で紹介しようと思います。

世界初の自律自走する光向性マイクロロボット
EMRoS:EPSON Micro Robot System
愛称「ムッシュ」君です!!!

手前の物体はマッチ棒です。
小ささがおわかりいただけるでしょうか。

やはり、まずはそのスペックから紹介いたしましょう。

本体サイズ:12.4mm×11.0mm×10.8mm
重量:4.3g
部品点数:98
外装素材:92.5%スターリングシルバー
超小型ウォッチ用ステッピングモータ
多軸アナログクオーツ用CPU-IC
超小型可視光センサ搭載

移動速度:1.8〜14.7mm/秒


…つまり、約1立方cmの体積でありながら、光の方向を自ら感知して、その方向へ自動走行するロボットなのです。
1993年発表され、世界最小のマイクロロボットとしてギネスに登録され世界中から脚光を浴びた、日本の微小機械製作技術力のレベルの高さを見せつけた記念碑的、象徴的ロボット…。スゴイよね!カッコイイよね!でもこれ…


たしか… 5万円 …くらいしたのよ、値段。

その価格でこれを買って何をするのか…光に向かって動くだけ、なんだけどね。ばかばかしいんだけどね。でもね。
例えば、5万円の洋服って、スーツとか、流行とか変わってしまえばそれまでだし、体型だって変われば着れないしね。指輪とかだって5万円程度じゃ全然たいしたもの買えないし、旅行に行くにもそんな遠くにいけないよね、
だから、だから、えーっと…。…。…。


どおーしても欲しかったんですっ!
何がなんでもっ!

1992年の終わりごろ、すでに「ムッシュ」のプロトタイプ写真や情報は出回っていて、それをEPSONは市販する気だと知ったときには、絶対買うと腹をくくってました。これこそ究極のがらくたに間違いありませんから。

「ムッシュ」の存在って、あまりにも中途半端。なんら役に立つことはできないし、オモチャとしても繊細すぎて使えない。オブジェっていったらロボットである価値も崩れてしまう。おまけに高価。ただギネスに載ったことがあるってだけの(それもすぐにより小さなものに取って代わられるのは目に見えてる)かわいそうな「ムッシュ」。
でもそこが「ムッシュ」たる、いいところ!
なんたって、かわいいかわいいこの愛くるしいデザイン、所有することの嬉しさがつい顔ににじみでてしまう。

「ムッシュ」発売の翌年1994年、体積がその約半分の「ニーニョ」が発売され、1995年には、走路を記憶することができる「リコルド」と、気まぐれな動きをみせる「ルビー」が、かわいがられるためのロボットたちEMRoSシリーズとして発売されました。 (ああ、「ニーニョ」も欲しかった、無理してでも買えばよかった…)
そして1999年、SONYからあのAIBOが発売されました。学習し成長するエンターテイメントロボットの登場です。こういうロボットをペット化することによって、ロボットを身近な生活に取り入れることに違和感のない世の中になっていきつつあります。 (まうご犬はAIBOにはまったく興味はありませんけどね)

「ムッシュ」は「原点」です。
なにもできないヤツですが、「ムッシュ」を見ていると、あらゆる未来のロボットを想像することができます。用途や目的がはっきりしないから勝手にできる想像です。職人の技術と遊び心で作られた、気合いの入ったホンモノの「がらくた」だからこそ、のんきに見ることのできる、「夢」があって、そこに楽しい「可能性」を考えてみたくなる…そんなロボットだと思えるのです。

EPSONはもうEMRoSシリーズの製作販売をやめてしまったようです。本当に残念なことです。



「ムッシュ」君のすべて!

「ムッシュ」君はこのようなパッケージに
梱包されていました
かっこいいグラフィックだね!


「ムッシュ」君用充電器内蔵ケースと
「ムッシュ」君ハンドブックと
「ムッシュ」君ピンバッジと
保証書が全内容です



さあ、「ムッシュ」君ケースを
開いてみましょう!ぱかっ




おお、なにやら冷凍睡眠装置のような
カプセルの中に…



このような姿で 「ムッシュ」君は
常に充電され、待機しておりました



出動!


光を感じるとピクピクっとして
動き始める…カワイイ



撮影中も動き回って大変!
けっこう敏捷にうごくのよ




ハンドブックは6穴バインダ手帳型!
「ムッシュ」君にまつわる開発秘話や
用語解説や諸注意の他に 、楽しい写真集や…



「ムッシュ」君のための
シミュレーションコース シートまで
用意されています! 至れり尽くせり!



「ムッシュ」君オーナーズカードまで
ついてたよ、なんか「オーナー」っていい気分!
小さくて丸いのはピンバッジだよ



「ムッシュ」君をひっくりかえしてみましょう
おや、シリアルナンバーが刻印されてる
0646…ムシ、ムッシュ…?おおお!




ね、ね、「ムッシュ」君ステキだったでしょ
がらくたって、ホントいいもんだよねっ!
(・・・・・)
* * 番外編 * *

かわいい「ムッシュ」君のために
「かぶと」をつくってもらったよ



純銀製だよ!カッコイイよ-!
ジュエリーデザイナーのH.Kawabata氏が
作ってくれたんだー!





5gのかぶと…、お、重い…、でもなんとか動くぞ

かぶと、ちょっと重かったけど、デビルマンみたいで
とっても気に入ってるのよ。

いっしょにケースに収納の図



本当は「ムッシュ」君2体収納できるケースなんだけどね
そりゃ、できることなら100体くらいは欲しいところだよ
楽しいだろうなあ100体の「ムッシュ」君を
一筋の光を指揮棒のようにして誘導するのは…
こいつら、ざわざわしながら同じ方向に動いていくのよー
…あら、ちょっと危険思想?

   


がらくたのへやへ

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