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史上二番目にHeavyな衝動買いと言えるであろう、この掃除機。でも状況は新しい掃除機を必要としていたのです。前の掃除機は引っ越しの際に最後に使って、車の後ろに置いたまま積み込むのを忘れて車をバックさせたら、ぐしゃ、ばきっ、てなことになって、中継ぎパイプがだめになって本体も取っ手や中のパックを取り出すフタも変になって、何より音がすさまじいことになってしまったのだからね。だから今度新しい掃除機を買うのなら軽くてヘッドが薄くて小回りの利く静かなのをと決めていたのだよ。なのに…
なんでだ!なんでこいつを買ってしまったのだ?
ジェイムズ・ダイソンの名ははるかな昔から知ってはいたよ。掃除機のデザインに全財産を投げ打ち、全人生を賭けたいかれたイギリス野郎。究極の掃除機にこだわり続けた、イギリス野郎の鑑といえる変なやつ…と。
80年代ポストモダンデザインの嵐のさなかにみた、パステルピンクの巨大な掃除機G・フォースはほんとに衝撃的だったよ。それまで掃除機って機能面以外のところではまるで日の目を浴びないものだったからね。使い勝手が良くて、もちろん吸引力にすぐれてて、コンパクトで押し入れや物入れに片づけやすいもの…それが掃除機に求められるすべてだと。物入れの中にしまわれる、ということであらゆるインテリアから完全に疎外されていた存在だったのだから。ダイソンの熱意には心打たれるものがあったし、デザインも悪くないとは思ったけど、当時その「G・フォース」は、たしか20万円以上してたもんなあ。はっきり言ってそりゃビジネスにはなり得ないとあたしゃ見切っていたのさ。
…イギリス人は恐いね。自宅兼工場でがんがん改良新型掃除機を作り続けたダイソンを見捨てなかったもんね。デュアルサイクロンシステムという技術と奇抜な色とデザインとで、「G・フォース」の後継にあたるDCシリーズがイギリス国内で300万台以上も売れてると聞いたときはホント驚いた。
あちこちでダイソン成功物語が語られてるのも驚いた。それでも値段だって20万円てなべらぼーなものではないけれど、従来型の掃除機に比較すりゃ3〜5倍はしてるしね。日本の普通の家屋には畳を敷いた和室という特別なゾーンもある。日本じゃ売れないって。…と、雑誌でDC05型の写真を見ているうちは冷静だった。
それが、現物を見たら
ダメだ、これ買うわ…
って、買っちゃった…。
その大きさ、重さ他あらゆる面で我が家に適した掃除機じゃないってことはわかってるし、値段も高いし、しまうスペースもない。でもねえ、そんなのはどうでもいいのよ。物そのものが本当にかっこよくて魅力的なんだから。
何よりオリジナリティのかたまりであるその姿には「参りました」としか言いようがなかった。オリジナリティ…それは掃除機だけを作り続けたダイソンの魂、気概と執念が集約されたもの…、工業デザイナーとしての誇りを見たわけよ。
お金を出してものを買うってのは、その商品の存在に賛成投票するというような意味もあると思うのよ。だから、一票入れるつもりで、買ったのね。そういうことだから、
がんばれダイソン・
実際うちに届いて使い始めて、想定された以上にこいつは厄介な掃除機だとわかったけれど、それでも買ってよかったと、長くつきあっていこうと思っておるのです。…部屋の掃除以前に、掃除機自体をしょっちゅう丁寧に掃除するハメになっちゃったけどねー。
やれやれ。
開発中のDC06型は自動走行型掃除機らしいのだけど、もし完成品を見たらまた買ってしまいそうでとてもコワイ…。
ダイソン社のホームページ
http://www.dyson.com/
とてもきれいなページです。
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これがdyson社の
「DC05 MOTORHEAD」だっ!

dyson社にはどーしても言っておきたいことがある!
購入した客に届ける品物にベタベタと販促シールを貼るのはやめろ!「吸引力が衰えない!」だの「ダイソン独自のテクノロジー!」だの、そんなこたー理解して買ったの!届いた品物にそんな文句のシールがあっても意味ないの!全部で5〜6枚は貼ってあったぞ。しかも糊の質が最悪で、剥がした痕が、にちゃにちゃになってアタマにきた!(「お客様相談室」にも抗議の電話をかけたが、その後改善されたか知るすべもないので改めてここに書いておく。)
DCシリーズのカタログには笑わされたぞ。透明シリンダーの特長をあげた中に、「ゴミが回転する様子を楽しめる」と、あるのだけど…あまり、楽しめません…。

このやたらに派手な紫色も、意外と下品じゃありません。しまう場所がないので常時室内に置かれていますが、案外目立たないのです。不思議ねー。こいつの存在に気付かない客もいるし…。

こいつの最大の問題点は、クリーナーヘッドと伸縮パイプの重さでしょう。伸縮パイプはかなりの長さまで伸ばすことが出来るけど、実際伸ばした状態ではヘッドが重すぎて、段差や、家具をよけようと持ち上げるのにものすごい力が必要ですわ。かけかたに慣れるまで筋肉痛になります。

こいつの威力を見せつけられるのは、やはり絨毯においてでしょう。実に細かい塵までよく吸い取ること…。掃除機というか、集塵機だね。カーペット床のオフィスなんかでは、こいつは最高の仕事をするのでしょうが、残念ねー、うちなんかに買われて。
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